先天性難聴について

「生まれつきの難聴」を持つ事を「先天性難聴」と言います。

遺伝性と非遺伝性に分類されますが総じて約1000出生に1人程度の確率で発生すると言われており、ことばの発育の観点から、早くからの補聴器装用などにより、コミュニケーションや言語発達を促す必要性があります。

従って「早期発見」が大変重要です。

生まれたばかりの赤ちゃんは、自分で難聴を訴えることが出来ませんが、新生児聴覚スクリーニング検査(出生児に難聴の有無を評価する簡易的な検査)で、要再検となった場合に診断に結びつくケースがほとんどです。スクリーニング検査で要再検となった場合には、専門の施設がある医療機関での精密検査が必要となります。

成長の過程で起こる難聴について

成長の過程で起こる難聴の原因の代表格は中耳炎です。

中耳に液体が貯まる滲出性中耳炎では、痛みがないため、発見が難しいのが特徴です。病気が長期化した場合は、言語発育の遅滞や学校の授業に影響が出るなどの弊害が出現する場合があります。また、治療せずに放置した場合に不可逆的(聴力が回復できない)中耳炎に進行する場合もあるため、速やかに耳鼻咽喉科で適切な加療を進めていく必要があります。滲出性中耳炎は治療することでほとんどは軽快に向かいますので、耳鼻咽喉科による早期発見が重要となります。

お子様が聞き取りにくさを感じた場合は速やかに耳鼻咽喉科受診を!

その他の子どもさんの難聴の原因としては、心の問題によって生じる「心因性の難聴」にも注意が必要で、原因は多角的に考えていく必要があります。また子どもさんの難聴は、自分で症状を訴えることが難しく、その症状に早く気付いてあげる事が重要です。
当院では、滲出性中耳炎の治療はもちろん、「顔の見える医療連携」をモットーに、必要な場合高次施設のご案内も行っております。少しでもご家族が子どもさんの「聞き取りにくさ」に不安を感じた場合は、早めに当院にご相談下さい。